音楽理論

コードの名前を覚えよう 構成音を意識したらすぐわかる

音楽理論 メジャーコード

前回、音楽理論の基礎である音程と音階について学びました。

前回→『音程と音階 メジャースケールやマイナースケールを理解しよう』

そこで学んだ音程や音階を使って、曲を構成するコードについて、学んでいきましょう。ちなみに、日本語では、コードは和音と言います。

ギターを弾く方は、CコードやFコードなどをご存知かと思います。Fコードがギターのひとつの壁だと言われていますね。(私もなかなか押さえられません。。)

これらのコードは、もちろん規則的に作られており、音程や音階を理解していると、分かりやすく覚えられます。

体で覚えるというのが、一番身に付いているのはもちろんですが、やみくもに練習できるほど時間がない方もいますし、理論的に覚えた方が早く身に付くというかともいると思います。

コードを理解する助けになればうれしいです。

目次

1.メジャーコードは完全1度+長3度+完全5度

メジャーコードは和名では長三和音と呼ばれます。

完全1度+長3度+完全5度からなる和音(コード)であり、もっともポピュラーなコードです。

Cメジャーの場合は、ドミソ、

Fメジャーであれば、ファラドとなります。

ここで、Dメジャーなどはレ、ファ♯、ラのように、♯が入ってきます。

ですが、レとファ♯も長3度でしたね。なので、メジャーコードは基準音に、長3度と完全5度を加えた音ということになります。メジャーコードだからと言って、鍵盤の白いところだけとは限りません。

音楽理論 メジャーコード

また、長3度と完全5度の周波数比は、4:5、2:3といずれも正数比でした。したがって、基準音:長3度:完全5度=4:5:6と表せるので、それぞれの音が、正数比で表せるということになります。このことから、3音の響きはそれぞれ非常に良く溶け合うため、きれいな音となるのです。

メジャーコードを記号で書くと、例えばCメジャーの場合は、

Cmaj、あるいは単に、C

と書きます。

majはmajor(メジャー)の略です。

2.マイナーコードは完全1度+短3度+完全5度

マイナーコードは、メジャーコードが長3度だったところが短3度になっただけです。つまり、完全1度+短3度+完全5度の三和音です。

Cマイナーコードは、ド、ミ♭、ソ

Dマイナーコードは、レ、ファ、ラ

Fマイナーコードは、ファ、ラ♭、ド

となります。レ♯とミ♭は同じ音なので、Cマイナーのばあい、「ド、レ♯、ソ」でも同じでは?と思うかもしれません。

音としては同じなのでどちらでもよいですが、理論的にいうと、「短3度」であって、「増2度」ではないので、ミ♭が正解となります。

音楽理論 マイナーコード

周波数比で見てみると、

基準:音短3度:完全5度=10:12:15

となりので、長三和音(メジャーコード)と同じように、響きがきれいな和音(コード)です。

Cマイナーの場合を記号で書くと、Cmとなります。

mはminor(マイナー)の略です。

3.完全5度が増5度や減5度になる場合もある

先程までは、完全5度の場合のみを書いていたが、この完全5度が増5度や減5度になる場合もあります。

表記の仕方は、ルート音(基準音)の右上に、増5度の場合は「+5」または「♯5」を付けて、減5度の場合は、「-5」または「♭5」をつけます。

増5度の場合は、コードの名前に`aug`と付く場合もあるので、こちらを見たことあるという方もいると思います。(augはaugment、増大するの略)

Cメジャーの増5度を記号で書くと、

C(♯5)あるいは、C+5または、Caug

となります。`aug`の場合だけ右下にくるので注意してください。このときの音名は、「ド、ミ、ソ♯」です。

音楽理論 aug

ちなみに、なぜ♯5や♭5のときだけ、(  )が付くかというと、ルート音がC♯とかになったときに、混同しないためです。

C♯(♯5)、こう書けば混同しなくなります。

4.七度の音程が追加されればセブンスコード

これまでは、3音で構成されていましたが、さらに、7度の音を足した4音のコードを、セブンスコードと言います。

7度の音が、長7度の場合を「メジャーセブンス」、短7度の場合を「マイナーセブンス」と言います。単にセブンスコードという場合は、マイナーセブンスのことを指します。

メジャーコードのマイナーセブンスは、長3度と短7度の音が、増4度となっています。そのため、不安定なコードになっています。

例えば、Cメジャーのマイナーセブンスの構成音は、「ド、ミ、ソ、シ♭」となり、ミとシ♭が増4度の音程です。

セブンスコード

表記の仕方は、長7度の場合は、ルート音の右下に「M7」または、「maj7」と書きます。短7度の場合は、右下に「7」と書きます。マイナーの場合は、m7とはなりません。

CメジャーセブンスはCM7または、Cmaj7

CセブンスはC7

と書きます。

Cm7と書くと、Cマイナーのマイナーセブンスとなるから注意だね

 

不安定な響きのdim7

ルート音から見ると、完全1度+短3度+減5度+短7度からなるコードをdim7あるいは、単にdimと書き、ディミニッシュコードと呼びます。

表記の仕方は、右下にdim7またはdimを付けます。例えば、C♯をルート音とした場合、

C♯dim7

となります。このときの構成音は、「ド♯、ミ、ソ、シ♭」となります。ここで、ド♯とシ♭は、長7度でも短7度でもない、減7度となっています。このことから、diminish(減らす)という単語が使われているのですね。

また、ド♯とソは減5度、ミとシ♭も減5度と、減5度が2つも入っているので、非常に不安定なコードと言えます。

ちなみに、これと似たコードにハーフディミニッシュコードというのがありますが、m7(♭5)と同じです。C♯m7(♭5)の構成音は、「ド♯、ミ、ソ、シ」となります。最後の音が半音上がっています。つまり、ルート音から見ると、完全1度+短3度+減5度+短7度の構成になっています。ミとシが完全5度になったので、不安定な感じは少し解消されてます。

ディミニッシュコード

5.九度の音程が追加されればナインスコード

セブンスコードにさらに、9度の音が足されれば、ナインスコードとなります。

長9度の音が足されるとルート音の右上に9が書かれ、短9度が足されると右上に♭9が書かれます。また、増9度の音が足されると、♯9が書かれます。

Cメジャーのメジャーセブンスのメジャーナインスの場合は、Cmaj79と書きます。これの構成音は「ド、ミ、ソ、シ、レ」となります。完全1度+長3度+完全5度+長7度+長9度で構成されています。

ナインスコード

ナインスコードの場合、必ずセブンスも入っているので、セブンスの表記は省略されることもあり、Cmaj9となります。

Cm9となると、Cのマイナーのマイナーセブンスのメジャーナインスとなるので、注意が必要だね。

 

5.1 九度の音だけを足したければadd9(アドナインス)コード

ナインスコードはセブンスの音が必ず入っているけど、セブンスの音をなくしたい!という場合は、add9(アドナインス)コードにすれば大丈夫です。

add9コードは、ナインスの音をadd(加える)したコードです。

Cadd9とすると、「ド、ミ、ソ、レ」となります。9度の音を足したものがaddコードなので、それが長9度だろうが、短9度だろうが、add9と呼びます。

ちなみに、add2というコードもあり、これは、2度の音を足します。Cadd2であれば、「ド、レ、ミ、ソ」となります。文字の並びだけ見ると、add9と同じですが、add9では、高い音がほしいときに使われたりします。

さらに、シックスコードと言われ、6度の音を追加するコードもあります。理論としてはadd9やadd2と同じですが、add6とは言わず、シックスコードと言います。

Cメジャーのシックスコードは、C6となります。

add9 add2 アドコード

6.吊りコードのsus(サス)コード

sus4(サスフォー)コードは、構成音の3度の音を4度に吊り上げるコードです。

Csus4とすると、「ド、ファ、ソ」となり、ミ→ファとなります。3度の音が4度の音に吊り上げられています。

逆にsus2(サスツー)コードの場合は、3度の音を2度に吊り下げたコードです。

Csus2とすると、「ド、レ、ソ」となります。

これらは、セブンスコードなどにもつけることができます。

sus4 sus2 サスコード

susがsuspended(吊るされた)という意味なので分かりやすいですね。

7.分数コード(オンコード)

C/Gは、分数のように書かれるから分数コードと言われ、Cのコードに、Gの音を足します。このGの音を足す方法が、ベース音として足す場合と、もとのコードに乗せる(onする)場合の二種類があります。

ベース音として足す場合は、ピアノでいうと右手でCコード・左手でG音と分ける場合、バンドでいうとギターでCコード・ベースでG音と分ける方法があります。

もとのコードに乗せる場合は、ギターだけでG音も乗せたコードを演奏するという方法です。

ConG C/G 分数コード

画像の表記のように、ConGという表記もあります。ギターを弾く方であれば、こちらの方が良く見ると思います。

8.さいごに

音楽のコードは、なにも丸暗記しないといけないわけではないことを、お分かりいただけたでしょうか。

結局は弾きながら覚えていくものかもしれませんが、背景としてこれらの理論・法則を知っているとなにかと便利かと思います。

普段コード表に載っていないものも、自分で考えて作れてしまうので、作曲なんかにも幅が広がるのではないかと思います。

これらのコードを駆使して、曲が作られていくのですが、実はこの曲作りにもある程度の法則があります。それを次回学んでいきたいと思います。

次回→『王道コード Ⅱm→Ⅴ→Ⅰ あの名曲にも多数使用』

音楽理論を勉強したい方には以下の本もオススメです!

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