音程については、『音程と音階 メジャースケールやマイナースケールを理解しよう』にて、解説しました。その中で、音楽用語がいっぱい出て来すぎて、混乱するかと思い、説明を省いた箇所があります。
完全音程や転回音程、不協和音について、補足で説明します。こちらで、その内容について学んでいきましょう。
目次
1.完全音程とは
音の正体は空気の振動で、音の違いは空気の振動数の違いという話をしました。
2音の周波数の比が正数で表されて、かつ、音の響きが特によいとされている音程を、完全音程と言います。
周波数比が1:1となる完全1度(同音)
周波数比が3:4となる完全4度
周波数比が2:3となる完全5度
周波数比が1:2となる完全8度(1オクターブ)
というように、上記の4種類に関しては、「完全」というのが、頭に付きます。
また、「完全」とはつきませんが、周波数比が正数のものは以下があります。
周波数比が4:5となる長3度
周波数比が5:6となる短3度
このように、周波数比が正数のものは、音同士が協和します(きれいに響き合う)。
したがって、Cメジャーコードの「ド・ミ・ソ」は、周波数比が正数の、長3度と完全5度からできています。

このように、良く使われているコードには、理論的な裏付けがあるのですね。
2.転回音程とは
音程の下側の音(あるいは上側の音)を1オクターブ上げて(下げて)できた音程を、転回音程と言います。
こうすることで、音程が変わります。したがって、音色を変えたいときなんかには、この転回音程を使います。
完全音程の場合は、転回しても、音程が変わらず、完全音程のままです。

3.不協和音とは
不協和音とは、聞くと、不快であったり、不安になるような暗めの印象を与えます。
不協和音は、長2度・短2度・増4度・減5度・長7度・短7度などが該当します。この中でも特に、増4度と減5度は三全音またはトライトーンと呼ばれ、特に響きの悪いものとなっています。
ちなみに、増4度はファとシ、減5度はシとファの関係しかありません。これらは、それぞれ転回音程の関係にあります。

これらの不協和音は、響きが良くないので、近くの響きがよい音に行こうとします。その原動力を利用して、コード進行が作られることも多いです。あえて不安や緊張させてから、安心できる音に導くという手法が、曲のなかでは良く使われています。
ジェットコースターに例えると、トライトーンの入った不安定なコードを奏でているときが、高いところまでどんどん上がっているときで、そこから落ちるところで安定したコードを使っているようなイメージでしょうか。
(ジェットコースターの好き嫌いによってイメージが変わるかもしれませんが(笑))