前回『音楽理論を学ぼう ~初心者でもわかる音楽理論~』、音楽理論を学ぶ意味と基礎的な楽譜の読み方を説明しました。今回は、より音楽理論っぽいことを学んでいきたいと思います。
音楽理論の基礎である「音程」と「音階」について学んでいきたいと思います。音楽理論を説明していくためには、この音程と音階の話は良く出てくるので、覚えてください。
といっても、特段難しいことまでは言いません。特に頭を使う必要はなく、覚えれば済むものです。
「音程」は音の程度・隔たりを表し、
「音階」は音の階段(一括りの音)を表します。
これだけではいまいちピンと来ないですよね。では、詳しく見ていきましょう。
目次
1.音程とは
音程とは、音の程度を表します。音の何の程度かと言うと、ある音に対して、どの程度離れているかです。つまり、音の隔たりの程度について表したものです。余談ですが、音程は英語でinterval(インターバル)なので、隔たりというのがわかりやすいですね。
それを、1度や3度など、「数字」+「度」で表します。
例えば、ドという音に対して、2度の音というのは、レです。3度の音はミです。自分自身を1と数えて、音と音がいくら離れているかを数えたものです。
ほかにも、レという音に対して考えると、4度の音は、ソとなります。

♯などがついていても、このままでは音程は変わりません。区別をつけるには、半音を考えなくてはいけません。
1.1 半音を考える
ここまでの話は、半音を考えていません。ピアノの鍵盤で言うと黒い部分です。これを考慮すると、長または短という言葉が付きます。度の範囲内に半音の数がいくつ含まれているかで、長か短かが決まります。
例えば、ドに対して、2度の音はミとなりますが、その間に半音は、「ド♯、レ、レ♯、ミ」の4つあります。このように、2度の間に半音が4つある場合を長2度と言います。この例でわかるように、鍵盤の黒い部分だけが半音ではないので注意してください。

ここで、音程は基本的に上に上がっていく(音が高くなっていく)ものだと思ってください。
もうひとつ例を出すと、レに対して2度の音は、「レ♯、ミ、ファ」と、半音が3つ入っています。このときは、短2度と言います。

このように、長と短で、半音の数が多い方が長と呼ばれ、半音の数が少ない方を短と呼びます。
1.2 ♯や♭の音はどう表現する?
それでは、♯や♭の音はどうやって表現するのでしょうか。その場合は、増や減を頭につけます。
例えば、ドに対して増1度とすると、ド♯となり、増2度とするとレ♯となります。

逆に、ドに対して減3度とすると、ミ♭となります。
ちなみに、この理論でいくと、ミに対して増1度はファとなり、2度と同じとなります。
このほかにも、ドに対して短3度というと、半音三つ分の音の差なので、ミ♭となります。このように、長短を使って、♯や♭を表せる場合もあります。
1.3 物理学的な振動数として
物理学的に言うと、音は空気の振動によって、伝わっていきます。その空気の振動を人間は、耳の鼓膜でキャッチして、聞こえる(認識する)となっています。
その空気の振動の仕方が、音によって変わるので、音の区別が付くわけです。空気が一秒間に振動する回数を周波数と呼びます。その周波数が440Hz(Hz:ヘルツは周波数の単位)の音を「ラ」として定義されています。
1オクターブ上がったときは、その周波数が倍になります。つまり、880Hzの音も同じラとなります。ただし、440Hzのラよりかは、ひとつ高音になります。
周波数比が2:3とか、3:4など、きれいな比率の場合、その2音は協和する、簡単に言うと、きれいな音となるとされています。
周波数の比がきれいだと、音が重なったときに、規則的にきれいに重なるので、音もきれいになるのだと思います。
これで、音程についてはある程度わかったかと思います。「こんなふうに名前がついているんだー」くらいで問題ありません。
その話はこちらで書いているので、詳しく知りたい人は見てみてね。
2.音階(スケール)とは
音階とは音の階段です。たとえば、Cのメジャースケールの場合、「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ」となります。
Cのマイナースケールであれば、「ド、レ、レ♯、ファ、ソ、ソ♯、ラ♯、ド」です。
いきなり例を書いてしまいましたが、解説していきます。
2.1 CとかDとは 音名
音を表すのに、音には名前がついています。なにも難しいことはなく、みなさんが良く聞く、「ドレミファソラシド」のことです。
実はこれは、イタリア語で、日本語で表すと「ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、イ、ロ、ハ」となります。これは昔の「あいうえお」ですね。
また、英語で表すと、「C、D、E、F、G、A、B、C」となります。先程出てきた、Cメジャースケールの「C」は、「ド」を表すことがわかりました。
Cメジャースケールは、Cの音、つまりドの音を基準とした、メジャースケールのことです。
では、メジャースケールってなんでしょうか。
2.2 メジャースケールとは
スケールというのが、音階のことです。冒頭にも述べましたが、音階は音の階段です。どのような音の集まりを一括りとするかです。どのようなというのを表しているのが「メジャー」ということです。
メジャースケールの場合、基準となる音から、半音の数が「2,2,1,2,2,2,1」となる音を組み合わせています。
たとえば、Cメジャースケールの場合、「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」となります。

Dメジャースケールの場合、「レ、ミ、ファ♯、ソ、ラ、シ、ド♯、レ」となります。

2.3 マイナースケールとは
マイナースケールの場合、半音の数が「2,1,2,2,1,2,2」となるように構成されたスケールです。
たとえば、Cのマイナースケールの場合、「ド、レ、ミ♭、ファ、ソ、ラ♭、シ♭、ド」となり、Dのマイナースケールの場合、「レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ♭、ド、レ」となります。
マイナースケールの場合は、♯よりも、♭で表現するのが一般的です。


2.4 スケールがわかると何に役立つ?
メジャースケールやマイナースケールがわかると何に役立つかというと、その曲で使われているコードがわかります。
たとえば、Cメジャースケールの曲では、C、Dm、Em、F、G、Am、Bmのコードが良く使われます。これに対して、7thなどの音が足されたりするが、基本として曲を構成しているのは、それらのコードです。
したがって、スケールがわかると、曲の構成がわかってくるので、耳コピもしやすくなったり、その曲の魅力がわかったりします。是非覚えたいですね!
3.さいごに
音楽理論の基礎である音程と音階について、学びました。理論的な話なので少し退屈かもしれませんが、これを理解すると、音楽がより楽しくなります。
また、最後の方で、コードの話が出てきました。次は、コードについて学んでいきたいと思います。
次回→『コードの名前を覚えよう 構成音を意識したらすぐわかる』