前回は、王道のコード進行「Ⅱm→Ⅴ→Ⅰ」があることを学びました。そこでは、ダイアトニックコードのみで話をしていましたが、曲の中でその他のコードも使いたいと思うときもあるでしょう。
ダイアトニックコード以外のコードのことを「ノンダイアトニックコード」と呼びます。ダイアトニックコードではないということですね。わかりやすい!
この、ノンダイアトニックコードを使うことで、曲の中でメリハリがついたり、抑揚がついたりするので度々使われる手法です。
ノンダイアトニックコードを使う場合でも、ルールが設けられています。というよりは、聞こえのよいように曲をつくったら、ルールにのっとっていた。という方が正しいです。先祖代々守られている違和感のないコードの使い方・借り方があるのです。これまた不思議ですね。
鉄則としては、ノンダイアトニックコードを使う・借りる場合は、「キリの良いところまで借りる」です。
それではみていきましょう。
目次
1.同じ主音のマイナー/メジャーから借りる
ノンダイアトニックコードを借りてくる場合の例として、同じ主音のマイナー(またはメジャー)コードのノンダイアトニックコードを借りることがあります。
つまり、その曲のキーがCメジャーの場合、Cマイナーのダイアトニックコードを、借りてくるという方法があります。
このとき、一度借りてきたノンダイアトニックコードは、ドミナントコード(Ⅴ)かトニックコード(Ⅰ)の直前まで借り続けないといけません。
例えば、Cmaj7→Em7→Dm7→G7→Cmaj7というコード進行があったとしましょう。

Dm7(Ⅱm)をCマイナーでいうⅡmのDm7(♭5)を借りて、
Cmaj7→Em7→Dm7(♭5)→G7→Cmaj7

というコード進行ができます。
また、Em7のところを借りてくると、
Cmaj7→E♭maj7→Dm7(♭5)→G7→Cmaj7
となり、Dm7(♭5)も一緒に借りなくてはいけません。もちろん、その次のG7の部分も借りてきても問題ありません。

ただし、Cmaj7の部分にCm7を借りてくると、問題はないのですが、「転調」したということになります。ノンダイアトニックコードを借りてくるということではなくなります。
2.Ⅴのダイアトニックコードを借りてくる
スケールがCの曲の途中で、CのダイアトニックコードでGのダイアトニックコードから借りてくるという方法があります。
つまり、元のダイアトニックコードのⅤの音を主音としたダイアトニックコードからコードを借りてくる方法です。
この手法はセカンダリードミナントと呼びます。
例えば、Cmaj7→Em7→Dm7→G7→Cmaj7というコード進行があったとしましょう。

このとき、Dm7の部分をG7のコードから借りてきて、
Cmaj7→Em7→D7→G7→Cmaj7
としたり、コードを追加して、
Cmaj7→Em7→Dm7→D7→G7→Cmaj7
ともできます。


3.コードの法則から推測する次のコード
これまでのルールをもとにすると、ノンダイアトニックコードが来たときには、次にどういったコードの動きをするかが、ある程度予測できます。
以下にいくつか例をあげるので参考にしてみてください。
①セブンスのノンダイアトニックコードがきたとき
→ドミナントモーションをつくるために、次に四度上or五度下のメジャーかマイナーに移行
② ○m7(♭5)や○m7のノンダイアトニックコードがきたとき
→あるスケールの二番目の音であり、そこらトゥーファイブ(Ⅱ→Ⅴ)を形成
③セブンスではないメジャーコードのノンダイアトニックコードがきたとき
→あるメジャースケールの4番目(または2番目)であり、二度上のドミナントコードに進行
などなどです。
これらを参考にすることで、作曲の手がかりであったり、耳コピの手がかりにもなりますね。
4.さいごに
これまで、音程から始まり、コード進行まで、いろいろと学んできました。
かなり噛み砕いての説明だったので、分かりやすかったかと思いますが、その反面、「この場合はどうなるんだろう?」といった疑問もあるかと思います。
もっと深く学びたい方は、書籍を読んで学ばれることをおすすめします。このウェブサイトを見た方は、おおまかな基礎知識は持っていると思います。
その状態で本を読んでもらえると、内容が理解しやすく、勉強もはかどるかと思います。
引き続き、楽しい音楽の世界にのめり込んでもらえたらと思います。